田中一村2010年10月23日 08時26分28秒

いやいや千葉市美術館まで見に行ったのはほんとは先月なんですけどね。

ずっと、ず〜っと実物が見たかった「田中一村展」。ここまで大規模な彼の展覧会は地元奄美大島にある記念美術館をのぞくとたぶん初めてじゃないかということです。幼少の頃のびっくりするくらいセンスを持った短冊絵から、奄美に渡る前まで(千葉の農村に住んで絵を描いていた)の作品も凄く見応えがあったし、彼の画風の変遷をつぶさに見られるのも興味深かった。でもやはり圧巻は奄美大島に移ってからの大作ですね。こんなに濃密で唯一無二の日本画はほんとうに見たことがない。日本絵の具のつつましくもしっかりとした発色。南国のモチーフ。でもこんなに力のある絵なのに、彼は存命中は無名でした。独学で絵を書いていた彼は「画壇」とは無縁の画業生活だったらしいのですが、そのことも原因のひとつだったでしょう。なんか残念なことです。生涯独身でもあったそうで、最晩年に書かれた、ずっと作品を買ってくれ、彼を支えていた理解者の方にあてたお礼の手紙には、ぐっとこみあげるものがありました。でもまあとにかく、作品には楽しませてもらいました。すごく良かった。
 帰宅途中には彼の作品がラベルになった黒糖焼酎「奄美の杜」を買ってきて図録を開き、余韻をかみしめながら晩酌しました。

コメント

_ あむ ― 2010年10月24日 12時50分09秒

図録持っていらっしゃるなんてナント羨ましい〜!10年程前に、田中一村の生活が書かれた本を読み、展覧会も行ったのですが、今回のは作品数も多そうですね。

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