「金刀比羅宮 書院の美」展 ― 2007年09月06日 10時02分13秒

東京芸術大学大学美術館で開催中の「金刀比羅宮 書院の美」展に行く。 金刀比羅宮の襖絵を持って来て、表書院、奥書院の絵画空間を再現するというもの。なので、持って来れない壁に描いてある絵はインクジェットプリンターで複写したものになる。それを差し引いても、見事なコレクション(っていうのかなあ)です。
表書院では円山応挙が鶴や虎の絵をダイナミックに繰り広げ、伊藤若冲さんは、今回一般には初公開された奥書院の「花丸図」で相変わらずのパラノイアチックな植物絵を爆発させております。天井の格子絵でああいうのは見たことがあるけれど、壁や襖に規則正しくびっしり並んだ細密植物絵なんて発想がすごい。おもわず笑いがでますよこれ。
日本にいなかった虎を描くために、昔の画家は剥製や毛皮を参考にしたらしいんだけど、そこには「眼球」がはいってなかったんでしょうな。体の模様や毛並みなどは素晴らしい再現力なのに、目がどうしても「猫」になっちゃう。虎は猫みたいに瞳孔が細くならないんだけど、そこまで想像がおよばないのはしょうがないですよ。他の客が「かわいい、ころころしてなんか猫みたい」とかいってたけど、毛皮を参考にしただけで、しかも墨一色で、あれだけ描けるんだから、やっぱり凄いでしょう。
コレクションの量としてはそれほどでもなかったけれど、一枚のチケットで、同時開催されていた広重の「江戸百景」(東京芸大コレクション)も見られたので、割高感はなかった。日曜までですよ〜。
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