セバスチャン・サルガド展 ― 2009年12月10日 19時32分45秒

行ってきました。平日の正午頃でもけっこうな混雑でした。彼のことは、名前以外にはドキュメンタリー写真を撮る人だくらいの認識しかなかったのでいわゆるマグナムの写真のような紛争地や難民の報道写真を最前線で撮っているひとなんだろうなあなどと思っていたんです。でもそしてこの前の教育テレビ「日曜美術館」で彼のことがとりあげられていて番組内で紹介された写真を見つづけるうちに「あ、これは違うぞ現物をプリントを見たほうがいいのかもしれない」と感じてきちゃったんですよ。で、招待券をいただいたこともあり、今日行ってきました。
ごめんなさい。やっぱり「日曜美術館」で感じた通りちょっと思い違いでした。美しい写真でした。被写体や写された環境は、とても辛いことやものや人なんですが、それでも美しかった。計算し尽くされたような見事な構図の写真も多々あったけど、これを瞬時にもしかしたら無意識に撮っちゃえるところが、凡百のカメラマンと違うところなんだろうか。僕たちにしてみればとんでもない苦境や苦悩が、写りこむものすべて、隅々まで計算しつくされたような構図になって、神々しいまでの「絵」となって焼き付けられていました。(後で今回の展示写真がすべてインクジェットによる出力だと知って、ちょっと驚きましたが)
近年は、地球の自然の神秘的で驚異的な美しさを撮る「ジェネシス」と題した撮影をライフワークとされているそうですが、人間撮るのに疲れちゃったのかな、などとシロート考えも湧いたりしましたね。次の日曜日まで、目黒の東京写真美術館で開催されています。同じ美術館内で「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ・ブレッソン展」もやっているので(こちらは2月まで)、いっぺんに見るのも面白いかもと思ったけど、仕事に戻ったのでそれはかないませんでした。あ、それから上の写真はもちろん彼じゃないですよ。勝手に転載できませんからね。
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